介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

「寝たきり」なのか「寝かせきり」なのか

以前特別養護老人ホームで勤務していた時に学んだことの一つです

「寝かせきり」

特養にお勤めの方なら馴染みのある方も多いと思います

一般的に多くは
「寝たきり」
と表現されています

「寝たきり」
という言葉を深掘りしますと

「寝たままになっている」
ということになります

であれば
スタートは本人の意思で寝ており
そのままの状態であることを
「寝たきり」
という意味になります

そう考えると
「寝たきり」
の方はどれくらいおられるのでしょうか

その言葉のもつ意味を考え
本質に迫った時に

「寝かせきり」
になってはいないか?

という考えのもと
特に入居系福祉施設では
「寝かせきり」
と使われている言葉遣いになります


人手が足りない
業務量が多い
体力的な負荷が大きい

こういった事情で
「寝かせきり」
になってしまっていることが多いです


タンスに足の小指をぶつけた経験のある方も多いと思います
ドアに手の指を挟んだことのある方もいらっしゃるでしょう

末梢神経は思いのほか敏感です

であれば足底を床につけることで
脳にどれだけの刺激があるかはお分かりいただけると思います

他にも
起き上がることで目線が変わり

目に映る景色が変わり
視覚からの刺激も多くなります

また
社会参加が出来ず「その人らしい生活」とは遠い生活を送らざるを得ない

血液循環が滞り栄養や酸素が全身に行き渡りにくく
内臓の動きの低下速度が早まる

つまり
廃用症候群」を
加速させることになります


現場職員は
文字通り必死になって働いています

対象者の方々により良い環境で生活を送ってもらおうと
環境整備や資料作成
レクリエーション準備などの間接介助を行い

職員よりも多数の対象者への直接介助を
出来るだけゆったりと行いたいと思いながら

時間が欲しいと効率化を目指し

自身のトイレも忘れて仕事をしています

その部分をもっと表現していきましょう

日々どんな想いで仕事をしているか

業務改善のために何をしているか

残念ながら
一般にはそれがまだまだ不透明な部分です

「寝かせきり」
になり
廃用症候群が進んでいる状態しか
見る機会がない方が多いです

だからこそ
介護職員の評価はまだまだ低いのではないでしょうか

自分たちが普段どんな仕事をしているのか

正しく評価されるために
自分たちで伝えていきませんか