介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

介護現場における「根拠」

恒例の言葉遣いシリーズ
(※非常に長文になりました🙇‍♂️)

今回は介護現場だけでなく
多くの場所で使われている

「根拠」

この言葉を介護現場で遣われるケースを
例にとって考えてみます

介護の仕事をする際には
「科学的根拠」
が必要です

以前は先輩たちが経験から得られた
「勘」や「コツ」
を頼りに仕事をしていました

平たく言いますと

「普通は」
「今までは」
「自分だったら」
「自分の親だったら」

といった
「職員個人の価値観」
がケアの判断基準となっていました

だからこそ
職員一人ひとりケアの方法が違い

後輩の育成においても
根拠が伝えられないために

「見て覚える」

という育成方法しかとれず
人財育成の障壁となり

また言語化されていないために
介護の楽しさや難しさなどの
素晴らしさが伝えられず

新たな人財の獲得にも繋がらない

といった悪循環に陥る要因のひとつ
となっていました

では根拠を持つにはどうすれば良いか
ですが

一言で表すと

「その人を知る」

です

何度も申し上げていますが
介護職の仕事とは

目の前の方の幸せを求める仕事
です

その方の幸せを考えるには
「その方ならどうしたいか」

という考え方が必要です

それを考えるためには

どういう家庭に育ち
どんな性格で
どう判断してきて
どんな仕事をしてきて
何が好きで
何が嫌いで
etc

その方のことを知り
その方の立場に立つことです

判断基準の目安としては
「自分だったらこうして欲しい」
「自分の親だったらこうされたい」

というのもありだと思います

ただ申し上げましたように
目線は職員ではなく
対象者であることが大切です

根拠づけは非常に深い理解が必要です

車いすより歩けた方がいい」
「おむつは使わない方がいい」

必ずしもそうとは限らないんです

その深い理解をするために
専門的な知識が必要になります

その方の気持ちを理解する以外にも
例えば「医学」や「薬学」

看護やリハビリに関する知識

日本の文化や歴史

家事や福祉用具など
多岐にわたります

介護福祉士」は
その勉強をしています
その知識を持っています

少しでも目の前の方が
幸せに生きていけるように


2021年度の介護報酬改定に
「科学的介護推進体制加算」
というものが加わりました

国を挙げて
その根拠づくりを加速させよう

という要素が含まれています

難しいことをしているんです

新たに作り上げているんです

ただひたすら
みんなが幸せに生きていけるように

こんな素晴らしい仕事に
携われていることを
誇りに思います✨


介護従事者の皆さん
いつもお疲れ様です🙇‍♂️

全ての介護職が輝いて働けるために

介護の仕事がどういうものか
ご一緒に伝えていきませんか😊