介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

「敬語」と「タメ口」

言葉遣いシリーズ

今回は


「敬語とタメ口」

 

昔から現場ではよく言われていることで
未だに言われていたりします

 

結論から申し上げます

 

「敬語の方が良い」

 

です

 

タメ口は親しみやすく

相手との距離が近くに感じられやすい

 

反面

 

馴れ馴れしくなってしまうこともあります

 

敬語の場合
丁寧で尊敬の気持ちが伝わりやすい

 

反面

 

堅苦しく
壁・距離を感じられることもあります

 

言葉遣いシリーズでお伝えしているのは

 

「相手にどう伝わるか」

 

そこが大切なのだと思います

 

親近感が湧くことは良いことなのか

 

敬語では親近感が湧かないものなのか

 

馴れ馴れしいことは好ましくないのか

 

壁や距離を感じることは望ましくないのか

 

それらを考えると

 

「敬語」か「タメ口」か

 

ではなく

どちらも良いと思います

 

ただそこに

 

その言葉遣いを聴く「相手」は
利用者本人だけではないです

 

その他の利用者

 

他の職員

 

ご家族

 

取引業者

 

他事業所の同業者

 

自分自身

 

色んな方々が皆さんの言葉遣いを
耳にされます

 

その方々に評価されることになります

 

皆さん個人の評価


事業所としての評価

 

今や介護の現場でも
接遇マナーが必須と言われています

 

社会の流れや利用者層の変化に伴い

 

介護のプロとして
サービスの質の向上が求められています

 

選ばれていきます

 

言葉遣いもケアの一部です

 

皆さんの事業所に初めて関わる方には

 

職員の細かなケアを目にする前に
表情や言葉遣いが先に伝わります

 

皆さんがどれだけ素晴らしいケアを
していたとしても

 

第一印象が良くなければ
他の印象まで引きずられてしまいます

 

自分たちの仕事を
正しく知ってもらうために

 

介護の専門家として
正しく評価されるために

 

尊敬される言葉遣いを
していきませんか😊

「一部介助」ってどんな介助?

言葉遣いシリーズ

しばらく間が空いてしまいましたが
もちろん続けてまいります

今回は

「一部介助」

もう既に
「たしかに!」

と思われた方も
いらっしゃるかもしれません

こちらの言葉は
サービスを提供する際

全てを本人が行うことや
全てを介助者が行うことではなく

一部を介助者が行うことによって
本人が出来るだけ自分で行えるように
支援することです

こちらも
言葉そのものは何らおかしいものでは
ありません

大切なのは「遣い方」です

実は
普段提供しているサービスの
ほとんどは「一部介助」です

本人情報を他職種に説明する際
同じ介護職での申し送りの際
記録に様子や状況を残す際

「一部介助にて実施」

のように表現してしまうと

具体的にはどのような介助が行われたのか

受け取り手の捉え方次第
になってしまいます

例えば衣類の着脱の際では

「ボタンの留め(外し)のみ介助する」
「箪笥への衣類の出し入れは職員が行う」

と表現すると
具体的で分かりやすく

そのケアが適しているかどうかを
皆で考えやすくなります

いつも申し上げておりますが

介護職は介護の専門家です

ざっくりとした表現をして
なんとなくで受け取るやりとり

ではなく

正確な情報を共有することで
より良いサービスを提供することを目指し

自分たちの求める職場づくりを

していきませんか😊

暴言・暴力

言葉遣いシリーズ

今回取り上げるのは

「暴言・暴力」

今回も
「言葉そのもの」や「行為について」

ではなくあくまで

「言葉遣い」
として考えたいと思います

今回は
患者・利用者によるものを指して
お話を進めます

「大声で怒鳴られた」
「殴られた」
「噛みつかれた」
「物を投げられた」 etc

医療や福祉の現場で
それらに遭遇された方は
多いでしょう

記録や職員間での申し送りなどでは
「暴言・暴力」
とした言葉が使われています

参考までに言葉の意味としては

暴言とは
他を傷つける意図がある言葉

暴力とは
他者の身体や財産などに対する
物理的な破壊力

とされています

では
「その方」は「何故」
その行為に及んだのでしょうか

前回「根拠」のお話を
させていただきました

その行為の根拠とは
一体何なのでしょう

人が暴言・暴力を振るうとすれば

相手に非がある
自分の正当性を主張したい
自分の身を守りたい

そういった時ではないでしょうか

「その方」も同じです

つまり「その方」は根拠なく
「暴言・暴力」をもって
一方的に職員を傷つけたいのではなく

「自分を守りたい【自衛】」

という想いからの行動ではないでしょうか

だからこそ
皆さん方医療・福祉の専門職は
知識と経験をフルに活用されています

「その方」は
認知症がある
精神疾患精神障害がある
知的障害とされている
かもしれません

そのために
事実に基づいた判断が難しい状態
せん妄や泥酔状態

そういった状態にあるかもしれません

そういう状態にある方に
どう関わればいいか

様々な情報を集め
めちゃくちゃ考えて深くアセスメントを行い

それをチームで共有し

ケアに当たっておられます

にも関わらずその結果
「暴言・暴力」

といった
表出した言動のみの
三者目線での表現をしてしまうと

あたかも表面上の出来事を
職員目線でしか見ていないように感じられ

折角深いアセスメントをするために用いた
多くの知識と経験や

「その方」の本質を知ろう
と関わっている姿勢が

途端に薄れてしまうことになります

どれだけその方のことを深く考えているかを

周囲が評価しづらくしてしまうことに
繋がります

表出した言動
だけでなく

アセスメントしたものを
より多く発信することで

周囲の評価は変わってきます

専門職として正しい言葉遣いをすることで

さすが専門職は凄い✨

と評価されていくように

自分たちで変えていきませんか😊

介護現場における「根拠」

恒例の言葉遣いシリーズ
(※非常に長文になりました🙇‍♂️)

今回は介護現場だけでなく
多くの場所で使われている

「根拠」

この言葉を介護現場で遣われるケースを
例にとって考えてみます

介護の仕事をする際には
「科学的根拠」
が必要です

以前は先輩たちが経験から得られた
「勘」や「コツ」
を頼りに仕事をしていました

平たく言いますと

「普通は」
「今までは」
「自分だったら」
「自分の親だったら」

といった
「職員個人の価値観」
がケアの判断基準となっていました

だからこそ
職員一人ひとりケアの方法が違い

後輩の育成においても
根拠が伝えられないために

「見て覚える」

という育成方法しかとれず
人財育成の障壁となり

また言語化されていないために
介護の楽しさや難しさなどの
素晴らしさが伝えられず

新たな人財の獲得にも繋がらない

といった悪循環に陥る要因のひとつ
となっていました

では根拠を持つにはどうすれば良いか
ですが

一言で表すと

「その人を知る」

です

何度も申し上げていますが
介護職の仕事とは

目の前の方の幸せを求める仕事
です

その方の幸せを考えるには
「その方ならどうしたいか」

という考え方が必要です

それを考えるためには

どういう家庭に育ち
どんな性格で
どう判断してきて
どんな仕事をしてきて
何が好きで
何が嫌いで
etc

その方のことを知り
その方の立場に立つことです

判断基準の目安としては
「自分だったらこうして欲しい」
「自分の親だったらこうされたい」

というのもありだと思います

ただ申し上げましたように
目線は職員ではなく
対象者であることが大切です

根拠づけは非常に深い理解が必要です

車いすより歩けた方がいい」
「おむつは使わない方がいい」

必ずしもそうとは限らないんです

その深い理解をするために
専門的な知識が必要になります

その方の気持ちを理解する以外にも
例えば「医学」や「薬学」

看護やリハビリに関する知識

日本の文化や歴史

家事や福祉用具など
多岐にわたります

介護福祉士」は
その勉強をしています
その知識を持っています

少しでも目の前の方が
幸せに生きていけるように


2021年度の介護報酬改定に
「科学的介護推進体制加算」
というものが加わりました

国を挙げて
その根拠づくりを加速させよう

という要素が含まれています

難しいことをしているんです

新たに作り上げているんです

ただひたすら
みんなが幸せに生きていけるように

こんな素晴らしい仕事に
携われていることを
誇りに思います✨


介護従事者の皆さん
いつもお疲れ様です🙇‍♂️

全ての介護職が輝いて働けるために

介護の仕事がどういうものか
ご一緒に伝えていきませんか😊

介護の仕事

今回は恒例の言葉遣いシリーズ
ではなく

忘れがちになってしまう
根本となる大切な部分

「介護の仕事」とは


介護職には働く場が多くあります

高齢者福祉が思い付かれますが
ほかにも

障害者福祉
児童福祉
と福祉の業界は広く

ゆりかごから墓場まで

と表現されることもあります

そんな中介護の仕事をする者には
共通の目的があります

目の前の方の幸せ = QOLの向上

これを求めるのが介護の仕事です

おむつ交換が目的ではありません

レクリエーションが目的ではありません

仕事をして収入を得られるように支援することが目的ではありません

それらを手段として

目の前の方が幸せに生きていくには
どうすれば良いか

それを日々追い求めています

その中には
排便をトイレで出来ずに
素手で取り除く方もいらっしゃいます

他者のご飯を食べてしまう方もいらっしゃいます

朝まで一晩中何かを探して歩いている方もいらっしゃいます

急に道路に飛び出してしまう方もいらっしゃいます

また
給料も決して高くないです

時間に対して仕事量も多いです

ご家族から求められることも多いです

心や身体に負担を感じて
目的を見失い

目の前の手段にしか目がいかなくなってしまう現実もあります

こんな状況で介護職が何をしているのか

それが
「目の前の方の幸せとは何か?」
です

介護職の皆さん

皆さんがされている仕事は
こんなにも素晴らしい仕事なんです

「食事」や「仕事」

といった場面だけでなく

その方の人生そのものを支えている

それが介護職です

今の待遇で良いわけがありません

もっと評価されていいと思います

メディアでは視聴率が取りやすい
悪い場面が流れることが多いです

では良い場面は誰が発信するのか

発信していきましょう

介護の良い面も悪い面も


正しく介護を知ってもらい

正しく評価されることで

その必要性は伝わります

必ず評価は変わります


全ての介護職が輝いて働ける世の中にするために

私たち自身で
変えていきませんか😊

「障害者の性」

YouTubeに動画を公開しました

「障害者の性」
について

https://youtu.be/3WftG215xSw


2/19(金)に開催しました
オンライン合同セミナー
「北の村から」

多くの方に知ってもらうために
参加者の方々の了承を得て
その一部を公開情報とさせていただきました

内容には賛否両論あると思います

障害者の性について
見ないようにされてる方も
いらっしゃると思います

性そのものについても
オープンにされないことが多いです

まずは
知ってみて下さい

多くの方が知ることで

小さな声が
大きな声になっていきます

誰にも相談出来ずに
一人で抱え込んでいる方が
多くいらっしゃいます

助けを必要とされている方が
そこにいらっしゃるんです


「福祉」
とは
「幸福の追求」


福祉の仕事をしている者として

ひとりの人間として

大切にしたいものです

全ての人が

自分の生きたいように
生きていける世の中へ

弄便?

言葉遣いシリーズ

今回は
「ザ・専門用語」
のように使われている

「弄便」

去年最後の言葉遣いシリーズが
「おむつ外し」
でした

それに関連するもののひとつですが

「あの人弄便があるから〜」
「昨日の夜勤弄便で大変で〜」

のように医療/介護職員間や他職種間で
話されていることが
残念ながらまだまだ見受けられます

排便された後下着の中に手を入れ
便に触れた手で辺りを触っている

その状態を指した言葉として
使われています

読んで字のごとく
「便を弄る(いじる)」
ということですが

その方は
「便」を「弄っている」
のでしょうか?

確かに見た目はそう見えます

主語は誰なのか?

ということを
いつも申し上げていますが

その方は
「不快な状態を回避(改善)したい」

という想いなのではないでしょうか

その想いを行動に移した際
排便後の下着の中に手を入れる

という行動をされているのでは
ないでしょうか

排便後そのままでいると
違和感があったり
痒くなったり
匂いがしたり

また
排便したことを人に知られたくない

そういう想いをされると思います

医療職/介護職の方は
ご存知のはずです

だからこそ
「気持ち悪かったですね」
「遅くなって申し訳ない」

そういう想いでケアにあたります

確かに
シーツや壁やカーテンなど
辺り一面に便が付着していたり

指のシワの間や爪の奥に
便が入り込んでいたり

さらには口の中にまで
付着していることもあります

綺麗にするには
気力も体力も時間も要します

ただ
一番辛い想いをされてるのは

本人だと思うんです

肉体的にはもちろん気持ち悪いです

トイレ以外で排便してしまった
排便したことを人に知られてしまった
自分一人で出来ないことが情けないなど

精神的にも辛いです

そんな想いを汲んでケアにあたる
医療職/介護職が

「弄便」

という言葉だけで済ませてしまうと

見た目の観察だけで
仕事をしている

そう受け取られかねないです

いまやご家族の方も
この言葉を使われたりしています

専門家が使っていれば
当然だと思います

どうしてもその状態を表現するならば
そのまま

「下着の中に手を入れていた」
「便を取り除こうとされていた」

ではいかがでしょうか


介護職は介護の専門家です
中には国家資格を保有する職員もいます

やっぱり専門家って凄い✨

そう評価されていいと思うんです

本当に素晴らしい職業だと
思うんです

その方の人生の幸せを
一緒になって目指す仕事

こんなに素晴らしい仕事である
ということを
多くの方に知ってもらうために

介護職が正しい評価を得て
輝いて働ける世の中にするために

正しく表現していきませんか