介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

「体交」「体転」「体変」

言葉遣いシリーズ

 

今回の言葉についても
言葉そのものではなく
言葉の遣い方についてです

今回は
「体交」「体転」「体変」

それぞれがすでに
省略された言葉ですが

自分で姿勢を変えることが難しい方に
介助者がサポートすることで
姿勢を変えることを

体交・・・体位交換
体転・・・体位転換
体変・・・体位変換

として使われています

すでに使われなくなった職場や
そもそも知らないという方も
増えてきていますが

残念ながらまだまだ現場では
専門用語のように使われています

使われなくなってきている理由は

①対象が物ではなく人だから
②姿勢を変えるのはその人だから

ですね😊

①については
まるで物を指しているような表現
にも捉えられることで
適切ではないという考え方です

自分自身が寝返りを打つ際に
「よし、体位を交換しよう」

とは思わないですね

②は視点についてです

「姿勢を変えるのは誰なのか?」

ということです

先程も述べたように
自分のことを「体位転換する」
とは言わないですね

本人からすると
「寝返りをうつ」
「向きを変える」
「姿勢を変える」

我々が行うのは
そのサポートです

そのため
「寝返り支援」
という言葉を遣っておられる
事業所も増えてきました

「介助者が体位変換する」
「介助者が本人の寝返りを支援する」

どちらも主語は介助者
ですが

「その言葉の主役は誰なのか」

が大事だと思います

そもそも
省略した表現を用いてしまうと
詳細が伝わらず
ざっくりとした情報共有に
なってしまいます

ですので
そのまま表現してはいかがでしょうか

「左のサイドレールを持つ」
「肘を支点に力を入れる」
etc

介護職員の方々は
普段めちゃくちゃ細かいところまで
観察しておられます

細かなところまで気を遣いながら
ケアをしています

その結果を省略してしまい
ざっくりとした表現をすると

細かな観察や気遣いを
しているかどうかが分からないです

コミュニケーションて
そもそも面倒くさいんです💦

ですが
そこを省略せず丁寧に伝えることで

「そんなところまで見てくれている」
「そんな細かいところまで
 気付いてくれている」

そういう評価に繋がっていきます

介護の専門職として
皆さん個人として

正しい言葉遣いをすることで
自分自身の評価を
自分たちで上げていきませんか😊