介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

介護の専門職としての言葉遣い ~「自立と自律」~

前回より少し間が空きましたが
続けます


今回は

「自立」と「自律」

この話も研修等でよくさせていただくのですが
新人研修やオリエンテーション等で学ばれた方もいらっしゃるかもしれませんし
正しい遣い方をご存知の方もいらっしゃるかもしれません

この二つの違いの説明
出来ますでしょうか?

簡単にご説明致します


「自立」


これは「独り立ちすること」です
例えば大学入学と同時に一人暮らしを始めた
これが「自立」ですね

ではもう片方


「自律」

 

これに悩む方が多いです

「律」の字は「法律」「律令」のように
ルールという意味があります


そのため自律とは


「自分自身で立てた規範に従って行動すること」


となります

例えば一人暮らしを始めた学生が


「次のバイト代が入るまで一週間を5,000円で暮らさないといけない。だから一日500円で生活しよう」


と自分でルールを作り
それに従って生活することです

ピンときた方もいらっしゃるかもしれません

我々介護職が行うべきは
「自律支援」
です

それぞれの意味を考えると
高齢者あるいは障害児者の方への「自立支援」は
ともすれば「孤立」のリスクがあります
「独り立ち」ですからね

また
「歩けるようになる」
ことを目的にするのではなく
「歩けるようになってどこへ行きたいのか」
が重要であることはご存知だと思います

さらには
「自己選択してもらいましょう」
「自己決定を促しましょう」

よく言われていますよね
それが「自律支援」だと思います

つまり
「自立支援」は「自律支援」のための一つの手段であるということです

 

再度申し上げます

我々介護職が行うべきは

「自律支援」

です

 


「その人が自分の人生を自分で生きていけるように」



ひとりの人生を直接支える者として
その目的は間違ってはいけないことではないでしょうか

こんなことを考えて仕事をしている方は他にも大勢いらっしゃいます
介護職って凄くないですか?😊

 

2019.12.11