介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

介護の専門職としての言葉遣い ~「指示が...」~

言葉遣いシリーズ
終わった訳ではないんです

細かく言うとまだまだあるんです

今回は
「指示が入る(入らない)」
「指示が通る(通らない)」

言葉遣いシリーズは
特に頻度が高く自分が気になるものからお話ししていますが


この言葉遣いについては
自分の勤めていた職場ではほぼ無くなっていました

皆さんの周りでも使われなくなってきていると思いますし
その根拠を説明出来る方も増えていると思います


他施設での研修などに行かせていただいた際に
まだまだ使われているんだと気付かされました

特に指導者・管理者レベルのキャリアをお持ちの方が
専門用語として若年層に教えているケースが目につきました

新しい知識を学んでいる方は
この言葉は学びません
専門用語でも正しい言葉遣いでもないのですから

「指示」
とは
「指し示すこと」
の他に
「指図すること」「命令」
と言う意味も含まれます

基本的には立場が上の者が同僚や部下や後輩

時には先輩や上司に対して使う言葉である
ということです

逆に目上の方に対して遣う場合は
「〜していいですか」
などの
「承諾を得る」
という遣い方になります

どこかで聞いた言葉ですね

「声かけ(言葉かけ)の四段活用」
ですね

そのためご利用者(ご入居者)
ましてや高齢者の方に対して「指示」するというのはおかしいということです

さらにその指示が
「入る(通る)」
となると
日本語としてめちゃくちゃです

指示は「する(出す)/受ける」ものです

 


以下は少し表現は適切ではないですが
分かりやすい表現にします

こちらの話したことが
「聴こえない」
のか
「聞こえたけど理解できない」
のか
「理解したけど行動に移せない」
のか

 

それらを

「指示が入らない」

とひとまとめにしてしまうと適切なサービスが提供出来ません


それらを徹底的に細かく分析し
聴覚の機能的なものなのか
脳の器質的なものなのか
伝達系のものなのか
筋肉・関節のものなのか
その時の気分なのか
介護職員との相性なのか
タイミングなのか
場所なのか

 

これらをアセスメントし

科学的な根拠づけを行い

同じ介護職のチームで共有し

他職種と連携して適切なサービスを提供する

 

これが介護職の日常の仕事です
これが介護職の専門性になります


介護職員の方々

介護職をよく知らない方々

ご存じでしたか?

 

以上の話を介護の仕事を知らない方にしてみて下さい
(自分の知識としてぜひドヤ顔で)
恐らく感心して下さると思います

一人ひとりがそうすることで
「介護職って凄いんだな」
と感じてもらえたら
少しずつですが確実に介護職の評価が上がります

正しく評価されていきます


今この瞬間も現場で働いている介護職が大勢います
目の前の方により良い時間を過ごしてもらおうと踏ん張っています

それでも大勢の対象者を前に
それぞれにさける時間が少なく


「こうしたらもっと喜んでもらえるかもしれないのに」
「ゆっくり話が出来なくてごめんなさい」
「待ってもらって申し訳ない」


そう思いながら走り回っているんです

正しい言葉遣いをしてなかった方は
これからでいいんです
正しい言葉遣いをしている方は
それを広げていきましょう

介護職が正しく評価されるように
自分たちで変えていきましょう

 

 

2019.12.3