介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

「認知病」ではなく「認知症」

認知病?ではなく認知症

前回から間が空きましたが
今回は「認知症」について


全てお話しすると大変長くなるので
自分が最重要と思うところを少しだけ

言葉遣いシリーズの中で触れました
「あの人認知だから」は間違いです
とお話ししました


ではその内容を正しく表現するならですが
「あの人には認知症があるから」
です

認知症は病気ではありません
病気によって引き起こされる症状のことを「認知症」と呼びます

つまり「認知症」と診断された方は
「病気によって、認知症とされている症状がある」
ということです

何の病気か?
どんな症状か?


に触れると長くなるので今回は触れませんが


大切なのは
認知症と診断されようがされまいが
「その人」
には変わりない
ということです

認知症」や「障害」の話をさせていただくときに
分かりやすくするために
「アクセサリー」
「タトゥー」
と言い換えてお話しすることがあります

あくまで「その人」が身につけているもののうちの一つ
ということ

ただしアクセサリーのように自由に取り外しは出来ませんし
タトゥーのように自分の意思で身につけるものでもありません

どちらにしても
それを含めて「その人」ではあるが
それだけが「その人」を構成するものではない
ということです

 

認知症に関する研修をさせていただくと

どうしても「認知症」にスポットを当てがちになる職員もいますが

 

大切なのは「認知症」ではなく「その人」です

認知症のある方に関わる機会が多い介護職として
この部分は絶対にブレてはいけないところだと思っています

 


さらにその先には
認知症の主な原因疾患4種+2種(諸説あり)の原因と特徴と経過
中核症状とBPSD
認知症ケアに有効な技法とその根拠
何故認知症が増えているのかの歴史と展望
…etc
学んでいることは多くあります

介護福祉士はそれらを同じ介護職や他職種、ご家族に説明し
同じチームとしてどんなケアを提供することが「その人」のQOL向上につながるのかのトライ&エラーを繰り返しています

認知症についてはまだまだ分からないことが多いです

分からないことが多いものに対して
分かっている情報を基に徹底的に細分化して科学的な根拠をもって出来る限り最適な仮説を立てている介護職は
現場にいる研究者と言ってもいいと思います

介護職の皆さん
無意識かもしれませんが
貴方のしている仕事はそういう仕事です

「人が幸せになるにはどうすれば良いか」
を研究し実践し続けている仕事

その仕事をしている貴方が
素晴らしくない訳がないんです

日曜日も祝日もお盆も正月も
朝も昼も夜中も
「その人の幸せ」のために全力を尽くしているのを知っています

貴方のおかげで今日を生きることが出来る人がいます

本当にいつもありがとうございます🙇‍♂️

一緒に作っていきましょう
安心して老いていける世界を😊

 

 

2019.1.15