介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

介護の専門職としての言葉遣い 「協力動作」

言葉遣いシリーズ続編

「協力動作」

この言葉は初めて耳にする
という方もいらっしゃるかもしれません

かなり減少してきてはいますが
まだまだ中堅以上の介護職員が言っているケースが見られます

以前にお話しました
「指示が通る(入る)」
が主に認知症のある方に遣われている現状があることに対し

こちらの言葉は特に
筋力低下の見られる高齢者の方に対して遣われているケースが見られます

初めて耳にされた方は何のことか
想像できない方もいらっしゃると思います

こちらは
「協力動作が見られる」
「協力動作が得られない」

のように遣われています

シチュエーションとして例えば
立ち上がる際介助者の首に両腕を回す

寝返り介助の際に対象者がベッド用サイドレールを持つ
などの動作のことを指します

ご想像いただけたかもしれません
その動作は対象者の動作のことです

対象の方が
立ち上がる際に介助者に捕まることや
寝返りをうつ際支えのバーを持つことを
「協力動作」
と呼んでいるのです

この言葉から読み取れるのは
「介助者の目的に対象者が協力する動作のことである」
ということです

言葉遣いシリーズにおいて
「主語は誰なのか?」
というお話をさせていただいています

今回の言葉の主語は明らかに介助者であることに気がつきますね


言葉遣いシリーズを今までの順番で投稿させていただいているのは

その順番通りに言葉遣いを意識すると
より深く学べるものになっています

言葉遣いの
「主語」
を意識できていれば
自然と
「協力動作」
に違和感を感じることが出来るのではないでしょうか

 


何度でも申し上げますが
介護職は介護の専門家です
プロフェッショナルです

ICFノーマライゼーション
介護過程といった専門知識

コミュニケーションや認知症ケア
ボディメカニクス等に代表される専門技術

それらを基礎として
応用しか通用しない現場において

チームの皆で力を合わせて
必死にQOLを求めています

今この瞬間も
自分自身と大切な人への
感染の恐怖と戦いながら

社会の基盤を支えています

もっと評価をされていいと思いませんか?

そのためにも
介護を知らない方からも
専門職として尊敬されるような
言葉遣いをしていきませんか