介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

「不穏」は「不安」 介護の視点の重要性

今回は言葉そのものではなく
その遣い方が適切かどうかについて
考えたいと思います

「不穏」

医療福祉分野では聴き馴染みのある言葉だと思います

例えば
興奮しており人を寄せ付けない
ソワソワして落ち着きがない
急に大声を出す

こういった状態にある対象者の方を指して

「〇さんが△時から不穏で…」

といった使われ方をしています

間違っておらず
事実はそうであると思います

以前に
「問題行動」
についてお話させていただいたことがございます

「問題行動」
ではなく
「行動・心理症状」「BPSD」
であると

視点が重要であると思います

職員からすると
「不穏」
には違いないですが

本人からするとそれは
「不安」
なのではないでしょうか

安心している時に
興奮したりソワソワしたり
攻撃的になったりはしないと思います


入院または施設入居して
生活環境が変わった

久しぶりに家族が面会に来てくれて
帰った後寂しさが強くなった

夜間眠れなくて気分が優れない

便秘気味で不快感がある

他にも理由は様々あると思います


その人に関する情報を集め
繰り返しアセスメントすることで
考えられる限りの原因と思われるものを探し出し

導き出された仮説を基に
その方に「安心」を提供しようと
関わっている介護職が

「不穏」

と表現してしまうと
途端に職員目線となってしまいます

本当は違うことを知っています
決して職員目線ではなく
「その方にとって」の安心を求め続けていることを

 

ですが受け取る側からすると

表現ひとつで受け取り方が変わってしまいます
イメージが変わってしまいます

介護職の本来の姿を
正しくイメージしてもらうために

正しい表現を
していきませんか