介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

「(介護)拒否」って言わない?

恒例の言葉遣いシリーズ

今回は

「拒否」

医療・介護の現場で
「食事拒否」
「入浴拒否」
「介護拒否」
「リハビリ拒否」
など使われているのをよく耳にします

また最近は
「拒否って言わない方が良いんですよね」

と聴かれることも多くなってきました

医療職・介護職などが
ケアを提供しようとした際

対象の方が拒んだ時に使われています

入浴にお誘いした際に
「風呂には入らん」

ベッドから車いすに移乗する際
立ちあがろうとしない

そういった際に
「介護拒否あり」

と表現されることがあります

結論を申し上げると
職員目線だと
「拒否」
になるのだと思います

本人目線でみると
「自衛」(自己防衛)
ではないでしょうか

本人からすると
「◯◯だから風呂には入らん」
「◯◯だから立ち上がらない」
といった理由があるはずです

例えば
普段は夕食後に入浴しているから
今は入らない

車いすに移ってもどこへ連れて行かれるのか
分からないから立ち上がらない

など他にも様々な理由が考えられます

職員の方々は
そういった「理由」を深く考えて

さらにチームスタッフや他職種と考え

本当に様々なアプローチをしています

それでも常に有効なアプローチ
とは限りません

うまくいかないとことの方が多いかもしれません

それでも
何度も何度もチャレンジします

「目の前の方に
 少しでも快適に過ごしてもらいたい」

その想いで挑戦し続けています

部分的に捉えると
努力が報われていないようにも思えます

それでも繰り返し挑戦し続ける職員は
知っているんです

「自分たちが諦めると
 その方の人生は『それなり』になってしまう」
ということを

こんなに素晴らしい仕事をしていても

「◯◯拒否」

という言葉で一括りにしてしまうと
介護職の仕事は理解されません

「⚪︎⚪︎と聴くと△△と答える」
「⚪︎⚪︎と言葉をかけ立ち上がりをサポートするも
 前傾せず」

のように
事実を正確に伝えることで
次に活かせる情報となります

決して「拒否」という言葉がいけないとは思いません

どう「遣うか」が大切だと思います

本人にとって
「分かってくれている」
という「安心」を提供するために

同じチームのメンバーと
次に活かすために

業界以外の方に
我々の仕事を正しく知ってもらう為に

言葉を大切に遣っていきませんか