介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

介護の専門職としての言葉遣い ~「帰宅願望あり」~

お久しぶりの言葉遣いシリーズです

「帰宅願望あり」

皆さんにお伺いします
帰宅願望がない方いらっしゃいますか?

学校や職場で
「早く帰りたいな〜」

 


「帰宅願望あり」
ですよね

ましてや病院や施設で過ごされている方であれば
帰宅願望は強くなりますよね


ここまでは医療・福祉業界以外の方からすれば
何を当たり前のことを言っているのか
何が言いたいのかよく分からない

という内容です

ですが介護職の皆さん
そのことを意識しておいていただきたいのです

この言葉遣いが一般的ではない
いわゆる業界言葉であるということを


しかも正しくない言葉遣いです

ましてや
「あの人は帰宅願望強くて困っている」
は職員目線でしかないのです

まず表現方法としては
「帰宅願望の訴えが多い」
「帰宅願望を強く訴える」
ですね

その上でその方に対する適切なケアを考えることになります

ここから先は介護現場では既に
様々な取り組みがなされています

何故帰宅したいのか?
帰宅して何をしたいのか?
自宅の何を求めているのか?

自宅での役割を果たしたいのかもしれない
会いたい人が知るのかもしれない
この場所に居たくないのかもしれない
などのように

得た情報から仮説を立てて
ご家族の意向を汲み取り
可能な限り本人の意向に沿うケアを提供しています

何故?何故?と深く深く掘り下げて科学的な根拠づけをして
医師や看護師、栄養士、療法士、薬剤師、ケアマネージャー等と連携して
適切なケアを生み出していく

とてつもなく難しいことをやっているんです

マニュアルなんてありませんし
答え合わせがしづらいから

そんな難しいことを毎日毎日やっている介護職が

「帰宅願望あり」

という言葉遣いをしていると
介護職の素晴らしさが伝わらず
正しく評価されにくいです

社会に介護職を正しく理解してもらい
正しく評価してもらいませんか?

 

 

2020.2.11