介護教員北村圭吾の介護ブログ

介護の現場から介護教員へ転身。介護について介護職と介護職以外の方みんなで考えるブログ

介護の専門職としての言葉遣い ~「問題行動」~

言葉シリーズから二つめ目

「問題行動」


令和のこの時代

この言葉を使っている人は
さすがにもういないですよね
と思いきやまだまだおられます


実は言葉シリーズまだまだあるのですが
特に気になるものからお伝えしてます


こちらの言葉は例えば介護対象者の方が
・「部屋の隅で排尿した」
・「急に怒り出して大声を出した」
・「人の物を持って行った」
・「排泄物を手で触った」
等のことを指して使われていました


改めてお聞きします
その行動を問題だと思っているのは誰でしょうか?


・排尿した後片付けをしないといけない
・急に怒られて驚いた
・持っていった物を取り返さないといけない
・シワの中や指と爪の間が洗いにくい

だから「問題行動」と表現していたのですよね
その考え方、行動こそが「問題行動」だと思います

本人にとっては
・そこがトイレだと思ったから排尿した
・気に触ることを言われた(された)から怒った
・自分の物を持って帰った
・陰部が痒いから掻いた

ですよね

後追いのケアをしていては

・本人は不快な時間が多い

・介護職の負担は大きくなるばかり

です

「問題行動」

ではなく

「BPSD」
です

付け加えると
「BPSD」=「周辺症状」
も正しくありません
「BPSD」=「行動・心理症状」
です

以前は周辺症状とされていましたし
自分もそう学びました

時代は流れています

Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia

日本語に直すと
「行動 と 心理 症状 認知症の」
となります

もう教科書からも「周辺症状」という言葉は無くなっています

話を元に戻します
認知症を学び理解し
中核症状とBPSDを理解すると
後追いのケアを減らすことができます

 

「介護は意図的に行うものであり、場当たり的に行うものではありません」

中央法規が出されている初任者研修のテキストに書かれている一文です

 

現役介護職の皆さん

どちらがいいですか?

利用者、入居者の方は
どちらがいいでしよう?

造語ではありますが
一緒に「快互」を目指しませんか

 

 

2019.9.7